夏は薄着の季節。
ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーが楽しめるのも夏ならではですね。
だけど、そのアクセサリーが原因でつけたところがかぶれたり、痒みが出たりする方がいることをご存知ですか?

これは「金属アレルギー」というもので、その中でも皮膚科では「接触性皮膚炎」と呼ばれています。
厄介なことに、この金属アレルギー、一度発症すると完治することがないと言われています。

えー、そうなんだ。結構怖いのね。
予防する方法とかあるのかな?

完全な予防はできないけれど、起きにくくする方法はありますよ。
原因や対策を知ることで、不安なくアクセサリーを楽しめると
いいですね!
そこでこの記事では、金属アレルギーについて
・アレルギーがどうやって発症するのか
・アレルギーを起こしやすい金属
・アレルギーを起こしにくい金属とその特徴
・金属アレルギーを避けるためには
の順に紹介していきたいと思います。
金属アレルギーってなに?
金属アレルギーとは、金属が汗や皮脂、唾液などで溶けて金属イオンとなり、これが体内のタンパク質と結合して「異物」とみなされることで免疫反応が起こるアレルギーの一種です。
Perplexity AI:金属アレルギーとは
上記は金属アレルギーについての一般的な定義です。
もう少しわかりやすく説明してみましょう。

金属が汗や体液などに溶け出してイオン化
→体内のたんぱく質と結合
→その金属をアレルゲン(アレルギーの原因物質)として体が認識(感作)
→次に同じ金属に触れたときにアレルギー症状を起こす
傾向として特定の金属で発症しやすい事がわかっていますが(後述します)、どの金属で発症するかは人によって異なり、またアレルギーの全く起こらない人もいます。
これは花粉症の場合ととても良く似ていますね。
ただし、花粉症はすぐに症状が現れる即時型アレルギーなのに対し、金属アレルギーは遅延型アレルギーと呼ばれ発症まで数時間から数日と時間がかかるため、自分では分かりづらいのが特徴です。
一度感作されると金属アレルギー自体は完治することはないと言われています。
現在のところ遺伝は関係ないと言われていますが、アレルギー体質の方や皮膚が敏感な方は気をつけたほうがよいかもしれません。
金属アレルギーを起こしやすい金属
金属アレルギーを起こしやすい金属
金属アレルギーの三大原因金属は ニッケル、コバルト、クロム と言われています。

ここで注意したいのが、これらの金属が実に多種多様な製品の加工に使用されているということ。
私達が日頃身につけるものにも非常に多くの金属が含まれています。
特に顔周りには本当にいろいろなリスクがあるんです😳


上記以外にこんなものもありました。
・服飾→「ジーンズのボタン」「ブラジャーのホック・ワイヤー」
・化粧品→「ファンデーションの容器」「化粧品の顔料」「タトゥーやアートメイク」
・皮革製品→「腕時計の革バンド」「バッグのストラップ」
・その他 「携帯電話」「調理用品(鍋等)やステンレス鋼」
アクセサリーを選ぶ際特に注意が必要な金属
ネックレスやイヤリング、指輪といったアクセサリーにもやはりいろいろな金属が使用されています。
その中でも特に気をつけるべき素材3つについて詳しくご紹介していきましょう。https://ajour.jp/column/metal-allergy/?utm_source=perplexity&utm_source=perplexity
1. パラジウム
まず、金属アレルギーの方が特に気をつけなくてはいけない素材が、”パラジウム”。パラジウムは貴金属のプラチナやゴールドに混ざっていることが多くとても身近な素材です。
パラジウムはプラチナに似た白い輝きを持っているため、特にプラチナの指輪に配合されることが多く、結婚指輪として人気が高いプラチナやゴールドは注意が必要となります。
ほかにもパラジウムはホワイトゴールドやピンクゴールド、シャンパンゴールドなどの素材にも利用されていますので心配な場合は購入時にしっかりと素材の確認をすることが大切です。
2.ニッケル
金属アレルギーの原因として非常に有名なニッケル。最もアレルギーを引き起こす可能性の高い金属と考えられています。
ニッケルは汗にとても弱く、金属が汗に溶けやすいのが特徴です。またパラジウムと似た性質を持っているので「パラジウムに反応する人はニッケルにも反応しやすい」といわれています。
なお安価な合金製のアクセサリーにはニッケルが含まれていることが多いので注意が必要です。
3.銅
金属アレルギーを引き起こしてしまう確率はパラジウムやニッケルの方が高いものの、体質によっては銅が金属アレルギー発症の原因となってしまうこともあります。
銅が使用されている素材といえば有名なのは「ピンクゴールド」。
ですが、実は「イエローゴールド」にも銅が混ざっている場合があります。
ゴールドの種類によって銅の含まれる量は異なりますので、カラーゴールドを選ぶ際はどのような素材が使われているのかを確認すると良いですね。
金属アレルギーを起こしにくい金属
金属の中でも特に金属アレルギーになりにくい素材には、チタン(純度の高いもの)、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルなどがあります。
ジルコニウムやハフニウム、タンタルのアクセサリーは非常に希少なため、現在はチタンが金属アレルギーになりにくい素材の代表格として扱われています。
金属アレルギーにならない結婚指輪をオーダーメイドで作っている工房のHPを見つけました。
流石に高価ですが、ご興味のある方は参考にされて下さい。
金属アレルギー専門の指輪工房:TOKYO DIAMOND 代官山工房:素材から選べる究極の結婚指輪オーダーメイドhttps://tokyo-diamond.jp/
1.チタン(純チタン)
チタンは、空気に触れるとすぐに酸化して表面に薄い膜(酸化被膜)を作ります。
この酸化被膜のおかげで、汗や水に触れても金属イオンが出にくいため、金属アレルギーの原因とはなりにくく、肌に優しい素材とされています。
https://www.nippon-clever.co.jp/topics/titanium
2.シルバー
シルバーの中でも、シルバー925と表記のあるものはアレルギーを起こしにくいとされています。
シルバー925とは、素材の92.5%が純銀である、ということ。
残りの7.5%は強度と耐久性を得るために、銅や他の金属が混ぜられています。
特に7.5%のすべてが銅であるものはスターリングシルバーと呼ばれ、金属アレルギーを起こしにくいことが知られています。
3.プラチナ
プラチナは前にも述べた通り、そのもの自体は金属アレルギーの原因にはなりにくい素材です。
しかし、プラチナにアレルギーがなくても、結婚指輪として使う場合は「一緒に混ぜられている金属は何か」という点に注意しなければなりません。
プラチナと謳われているものでも微量にパラジウムが含まれている可能性はとても高く、その場合にはアレルギー反応が出ることも。
例えば宝飾用のプラチナ900という合金は、パラジウムを10%混ぜて硬くしたプラチナとパラジウムの合金です。
なのでパラジウムの入っていないプラチナを選ぶことが1番です。
4.ゴールド
プラチナと同じように、金属アレルギーにはなりにくい素材のゴールド。
しかし、カラーゴールドがトレンドになっている今、ゴールドの中にも多くの金属が混ぜられています。さまざまな色味を出すために色々な素材が混ぜられているという事はさらに注意が必要ということです。例えば、宝飾品として一般的な18金ゴールドは、銀を12.5%、銅を12.5%混ぜている金と銀と銅の合金です。
金属アレルギーを避けるには?
①素材に注意しましょう!
・純度の高いチタンやプラチナ製品、樹脂、セラミックなどを選ぶ
・ノンニッケルの商品を選ぶ
安価なアクセサリーには素材として「合金」が使用されていることがほとんどです。
「合金」とは、複数の卑金属(ニッケル、鉄、アルミニウム、錫、亜鉛、銅など)を混ぜて作ったもの。
金属を混ぜることによって耐久力を増したり、加工しやすくしたりします。
・合金の例
亜鉛合金 =亜鉛+アルミニウムなど
真鍮 =銅+亜鉛
ステンレス=ニッケル+クロム+鉄など
また前述した通り、貴金属製のもの(金・銀・プラチナ)にも硬度を上げたり色をつけたりする目的で混ぜものがされている可能性はあります。
アクセサリーなど、身につけるものを選ぶ際には素材の確認がとても重要になりますね。
特に ピアス を選ぶときには十分に注意!
ピアスは皮膚に穴をあけるため、金属が直接体液にさらされることになります。
ここでイオン化されやすい金属が使用されていると簡単に体内に取り込まれて感作され、金属アレルギー発症の原因となってしまいます。
なので、初めてのピアスはオールチタンの製品が安全。
この「オールチタン」というところが重要です。
「ポストだけチタン」のピアスに注意
・「ポストのみチタン製で、飾りの部分に他の金属が使用されている」
・「素材となっているチタンの純度が低い(チタン合金)」アレルギーが起きにくいはずの「チタンピアス」を購入したのに、金属アレルギーが起きてしまった…という場合、上記のような原因が考えられます。
より確実に金属アレルギーを防ぐためには、ポストだけでなく石座・キャッチ・飾りの部分まで、すべての金属にチタンを使用したアクセサリーを選ぶことをおすすめします。
金属アレルギーについて-チタンアクセサリー専門店HIBINOI
②汗に注意
金属アレルギーの原因は汗によって金属が溶け出してしまうこと。
汗をかきやすい人はその原因を作りやすいことから、金属アレルギーになりやすいといえますね。
幅の広い指輪を長時間つけていたことで、蒸れてあせもになっている場合があります。腕時計のベルトや幅広のネックレスなどでも同じような現象が起きやすいでしょう。
汗をこまめに拭く、指にあたる面積が小さい指輪を選ぶ、夏場の長時間の装着を避ける、等が対策となります。
③洗剤や薬品が原因の皮膚炎にも注意
例えば、食器洗い洗剤やシャンプー。
洗剤に含まれる界面活性剤が手荒れの原因となる場合があります。
指輪をしていなくても洗剤や薬品の洗い残しは肌荒れトラブルの原因となります。
万全を期すならば、洗い物をするときには指輪を外す、またはゴム手袋を使用するなどが安全ではありますが、それが無理ならば洗剤使用後は手や指輪をしっかりとすすぐようにしましょう。
まとめ
今回は夏に起こりやすい金属アレルギーについて調べてみました。
◎アレルギーがどうやって発症するのか
発生のメカニズムは花粉症の場合とよく似ています。
金属が汗や体液などに溶け出してイオン化する
→その金属イオンが体内のたんぱく質と結合
→それをアレルゲン(アレルギーの原因物質)として体が認識(感作)
→次に同じ金属に触れたときにアレルギー症状を起こす
◎アレルギーを起こしやすい金属=汗や水に溶けやすく、腐食しやすいもの
ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、錫 など
◎アレルギーを起こしにくい金属=汗や水に触れてもイオン化しにくいもの
ハフニウム、ジルコニウム、タンタル→希少で手に入りにくい、高価
純度の高いチタン、シルバー、プラチナ、ゴールドなど
◎金属アレルギーを避けるためには
○素材に注意する
安価なアクセサリーには合金が使用されていることが多い。
アクセサリー以外にも様々な製品にアレルギーの原因となる金属が使われている可能性がある。
貴金属の場合でも、硬度を増すためや色味をつけるために割金されていることがあるため、何でできているかよく確かめてから購入を。
○汗に注意する
身につけている金属が汗に溶けて体内に取り込まれることでアレルギーが発症する。
汗をこまめに拭く、肌に当たる面積が少ない物を選ぶ、夏は装着時間を短くする、などの工夫を。
○洗剤や薬品にも注意を
洗剤やボディソープなどの洗い残しが皮膚炎の原因になることも。
洗い物の後やシャンプー後には手や指輪をしっかりすすぐようにする。

[こるりの独り言]
この記事を書くにあたって「金属アレルギー対応」の商品を扱っているサイトをいろいろ確認してみたのです。その中身はいろいろで、価格にもかなりの幅がある。
そして記事では触れていませんが、現在の日本の基準では「ニッケルが全く入ってないよ」ではなく、「かなり少なくなってるよ」の意味でも「ニッケルフリー」と表記できると知って目が点😳になりました。
現時点では、ご本人やご家族が金属アレルギーを持っている方の紹介するものが一番信用できるのではないかなと感じています。(まあお値段は張るところが多いですが)。
もうちょっと調べてみないとわからんなーと思うこるりなのでした。
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